「いろいろな銀行で申し込んでみたけれど、どこも住宅ローン通らない。もうダメだ…」と思っていませんか?
もし諦めてしまう前にまだできることがあるなら、知りたいですよね。
このページでは、住宅ローンに通らない時に試したい8つの方法と、審査に通りやすい住宅ローンについてご紹介していきます。
住宅ローンに通らなかった場合の最終手段
また、最終手段に移る前に知っておきたい、住宅ローンで審査落ちしないための基本についても解説していきます。
住宅ローンの審査でつまずかないで無事にマイホームを手に入れられるように、最後までチェックしてみてくださいね!
監修者紹介暮らしのすぱいす株式会社 代表取締役
三村翼
愛知県で住宅コンサルティング会社「暮らしのすぱいす」を経営。
建築・不動産・金融機関などの勤務経験を活かし、住宅ローン審査から実際の建築段階まで、幅広い知識でサポートしている。
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住宅ローンに通らない時の最終手段8選
まずは、住宅ローンに通らなかった場合に試して欲しい最終手段を紹介していきます。
その方法は次の8つです。
具体的にどうすればいいのか、通りやすくなる理由と併せて詳しくご紹介していきます!
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1. 住宅ローンの斡旋業者を変更する
まずは、住宅ローンの斡旋業者を変更してみましょう。
住宅ローンを組む場合、不動産屋やハウスメーカーが金融機関を斡旋してくれる場合が多くなります。
その紹介に頼るのではなく、自分で住宅ローンを組めそうな金融機関を探すといいでしょう。
2. 頭金を多めに準備する
頭金を多めに準備することも、住宅ローンが通らない時にはとても有効な手段です。
頭金を増やすと借入額は当然減ることになりますよね。するとローンの支払いが滞る可能性が低くなると判断されます。
特に頭金ゼロの住宅ローンに通らなかった場合は、この方法が有効です。
頭金ゼロの住宅ローンは「子供が欲しいので手元にお金を置いておきたい」などの明確な理由がない限り、通りにくくなってしまいます。
借入額を少しでも減らすとトータルでの出費を減らせるので、できる範囲で頭金を増やすようにしましょう。
3. 安い物件に変更する
住宅ローンが通らないなら、購入しようとしている物件を安いものに変更するのも有効な手段です。
審査に落ちるのは、それだけの借入額を返済する能力があるとは認められていないということ。
「購入しようとしている物件は、自分にとって高嶺の花なのではないか」と改めて考えてみましょう。
購入時に背伸びをしすぎると、仮に審査が通ったとしても、その後は経済的に苦しい生活を強いられるかもしれません。
また新築にこだわらず、中古物件から探すという手もあります。
住宅の購入には夢を抱いてしまうため気持ちが大きくなりがちですが、冷静に判断したいですね。
4. 追加書類を準備する
住宅ローンの審査中などに、金融機関から追加書類の提出を求められた場合には速やかに提出できるよう、準備をしておきましょう。
たとえば夫婦連名で住宅ローンの申請をしているとします。
妻が育休中で収入が減っている場合、直近の源泉徴収票だけでは収入が少ないと判断されて審査に通らない可能性があります。
ここで過去の源泉徴収票を提出すれば、「現在は少ないが、本来はこれくらいの収入が見込める」と判断され、過去の額で審査してもらえるのです。
「今はこの収入だから」と諦めるのではなく、良い判断材料となる追加書類があれば提出できるようにしておきましょう。
5. プロパーローンも検討する
保証会社を通さない「プロパーローン」を検討することも、審査が通らない人にはおすすめの手段です。
とても自由度が高いので、自分に合ったローンを組みやすいのが大きな特徴です。
一般的な住宅ローンに比べて金利が高くなる傾向がありますが、保証料がかからないためトータルではプロパーローンのほうが出費を抑えられる場合も多いです。
また、金融機関の基準で審査されるので、保証会社を介する場合より審査に通りやすい傾向があります。
ただし、金融機関にとってはリスクが高いため、短期間かつ少額のみの融資となりやすいことは覚えておきましょう。
6. 複数人でローンを組む
自分一人で申し込んで住宅ローンに通らない場合は、夫婦など複数人でローンを組むのも有効な手段です。
夫婦で1つの住宅ローンに申し込む場合は「収入合算」となります。
夫の収入だけではなく、世帯収入として申し込むことで融資が受けやすくなる方法です。
夫婦二人で2つの住宅ローンを組む「ペアローン」は、たとえば妻が亡くなった場合には妻のローンのみが完済扱いとなるなど、団体信用生命保険の扱いが異なります。
親子でローンを組む「リレーローン」もあります。
これはまず親がローンの支払いを行ない、亡くなった、あるいは既定の年齢に達した場合に子が債務を引き継ぐものです。
これらの複数人でローンを組む方法は、一人で申し込むよりも返済の見込みがあるとみなされて審査に通りやすくなります。
7. 申し込みは4月・10月を避ける
金融機関の決算月の翌月である4月・10月を避けて申し込むのも一つの手段です。
住宅ローンを申し込む時期によって、融資を受けられる可能性が高まることがあります。
特に決算時期である3月と9月は業績を上げたい時期なので、期待度が高いです。
金融機関独自の住宅ローンの場合は、融資の基準が少し甘くなることも考えられます。
ただし、金融機関も今だけの業績のために返済が厳しそうな融資を行うことはないので、時期を選べるなら…という程度に考えておくといいでしょう。
また、保証会社を通す通常の住宅ローンの場合は、審査の基準は変わらないのであまり期待できません。
8. 期間を1年以上開けて再度申し込む
住宅ローンが通らない場合は、思い切って1年以上期間を空けてから再度申し込んでみるのも有効な手段です。
特に会社勤めの人の場合は、期間を空けることで年収が上がる可能性がありますよね。
また勤務年数が1年増えることも、審査の基準に大きくかかわってきます。
さらに、信用情報に傷が付いていて住宅ローンが通らなかった人は、時間が経つことで信用が回復するかもしれません。
「どうしてもこの物件を買いたい!」という場合は使えないかもしれませんが、ある程度時間に余裕があるならこの方法も試してみましょう。
金融ブラックでも住宅ローン審査は通る?
金融ブラックの人は、残念ながら住宅ローンの審査に通りにくいと言えます。
そもそも「金融ブラック」とみなされるのは、次のような人です。
- 自己破産、任意整理などの債務整理をした
- ローンなどの支払いが困難になり、保証会社や保証人が代わりに支払った
- クレジットカードなどの支払い遅延が続き、強制解約された
これらの情報は信用情報機関に登録され、相互に共有されています。
一度傷ついた信用情報は、5年で登録が消去されることがほとんど。自己破産の場合はこの期間が10年となる場合があります。
そのため、基本的に金融ブラックの期間中には住宅ローンが通らないと思っておきましょう。
事故歴のある人はペアローンなどの単独契約ではないものを選ぶ、信用情報が回復するのを待つなどの手段を検討してみてください。
審査に通りやすい住宅ローンはある?
住宅ローンには、次のように比較的審査が通りやすいものがあります。
- 地方銀行や信用金庫、ろうきんなど
- フラット35
- ネット銀行
地方銀行などは営業エリアの人々を大切にしているため、審査は甘くなりがちだと言われています。ただし、金利は高い傾向にあるため注意しましょう。
次にフラット35ですが、こちらは住宅金融支援機構から提供されており、民間の金融機関とは審査基準が異なるもの。
そのため、パートやアルバイトの人でも一定収入があれば住宅ローンを組める可能性があります。
ネット銀行は審査が厳しいところもありますが、勤続年数を問われないなど、自分に有利な条件なら審査に通りやすくなる場合も。
ネットで完結するので手間がかからない反面、担当がつかないため融通が利きにくい点がデメリットと言えるでしょう。
逆にメガバンクの住宅ローンは条件が厳しく、窓口の段階で断られてしまうこともあります。
闇雲に複数のローン審査に申し込むのはNG
「いくつも試してみれば、どこかの住宅ローンには通るだろう」と思いがちですが、やみくもにトライするのはNGです。
住宅ローンの審査を受けると、信用情報機関に次の情報が登録されます。
- 信用情報の照会の目的
- 照会が行われた年月日
- どこの金融機関か
審査結果については登録されませんが、何度も審査履歴が残ると「落ちているんだな」と思われても仕方ありません。
ただし、この審査履歴は6カ月で消去されます。
審査に落ちた場合は立て続けに申し込むのではなく、少なくとも6カ月は期間を空けるようにしましょう。
住宅ローンに審査落ちしないためのコツ
住宅ローンに通るための最終手段はいろいろありますが、できるだけ最初から審査落ちは避けたいですよね。
審査落ちしないようにするために、気を付けておくべき点5つについて詳しく解説していきます。
他社借入を優先して返済する
もし、他に借入があるなら住宅ローンに申し込む前に返済しておきましょう。
借りられる金額は、年間の総返済額が年収に占める割合によって決められています。
つまり住宅ローンで借り入れる前に、車のローンや奨学金の返済などがある場合は、その年間返済額も住宅ローンに影響してくるということです。
クレジットカードのような後払いサービスも、返済が必要な金額として含まれます。
他に借入があると、住宅ローンの借入可能額が減るのはもちろん、融資自体が断られてしまう原因にもなります。
できるかぎり借入は解消しておくのがおすすめです。
仮審査と本審査の申告内容を変えない
仮審査と本審査の申告内容に相違がないように気を付けましょう。
住宅ローンの審査には、一般的に「仮審査」と「本審査」がありますが、本審査の段階で落ちてしまうことも珍しくありません。
銀行の住宅ローンでは、仮審査の状態から転職したり年収が減ったりなどと状況が変わることで本審査を通らないことがあります。
特に収入の面で仮審査の内容と相違が出てしまう可能性があるので、転職予定のある人はある程度収入が安定してから住宅ローンの仮審査を受けましょう。
フラット35の本審査では、物件についてじっくり見られるので担保価値が低いなどの理由で落ちてしまうことがあります。
この場合は借入額を減らすか、他の住宅ローンを検討するほうが良さそうです。
クレジットカードやカードローンは解約しておく
クレジットカードやカードローンで、不要なものはすべて解約しておきましょう。
クレジットカードにはキャッシング枠が付いているものが多いですよね。
これを「今後借り入れる可能性がある金額」として捉えられ、まったくキャッシングしていなくても「借入額」として扱われてしまいます。
クレジットカードの保有枚数が多いと、後払いサービスの利用額が多くなり住宅ローンの返済能力に不安があると判断されることもあります。
「年会費不要だから」などの理由でとりあえず作ったカードがないかチェックして、定期的に見直すのがおすすめです。
信用情報を先に確認しておく
自分の信用情報を取り寄せて、傷が付いていないか確認しておくことも大切です。
これまでに支払いの遅延などが全くない人は必要ありませんが、少しでも審査に不安があるなら照会は必須となります。
指定信用情報機関は次の3社です。
これらは完全に独立しているわけではなく、情報を共有しています。
ただし、情報の種類や保有期間などが異なるため、3社とも開示請求することをおすすめします。
また、照会を行なったことが審査自体に影響することはありません。デメリットは手数料がかかる点くらいでしょう。
審査落ち理由を担当者に確認するのは必須
もし審査に落ちてしまった場合は、必ずその理由を担当者に確認しましょう。
住宅ローンの審査は、年齢や健康状態、担保の評価、融資額、勤続年数、年収、信用情報などさまざまな項目を総合的に評価して行なわれます。
金融機関は審査の基準を明確にしていないので、ハッキリと教えてくれることは期待できそうにありません。
ただし担当者なら、明確な理由ではないにしても「この項目かも」という点にある程度の見当がつくはずです。
自分だけでは何が悪かったのか分かりませんよね。
最終手段をとる前にどのような対策ができるのか検討するためにも、理由を聞いてみることをおすすめします。
まとめ:迷った時は住宅ローンの専門家に相談を
このページでは、住宅ローンの審査に通らない時に試したい最終手段8つについて詳しくご紹介しました。
住宅ローンは何度か審査に落ちたからといって、もうダメだと諦めることはありません。
どこが審査落ちの原因になっているのか、何かできることがないのかしっかりチェックして対策をすることで、審査に通る可能性は十分にあります。
もし「どうしても通らない理由が分からない」「自分では決められない」という人は、ファイナンシャルプランナーなど住宅ローンの専門家に相談するのも有効な手段です。
自分に合った無理のない返済を続けられる住宅ローンを選び、審査をクリアしてマイホームを手に入れてくださいね!